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超新星爆発、特に大質量星が一生の最期に起こす重力崩壊型超新星爆発、や関連するガンマ線バースト、高速電波バースト、重力波天体、初代星、元素の起源に関する研究を行っています。
輻射流体計算や元素合成計算などの数値シミュレーションを用いる理論的研究と様々な口径の望遠鏡による撮像・分光観測を用いる観測的研究を組み合わせて、
- 超新星爆発、ガンマ線バースト、高速電波バースト、重力波天体などの突発天体の起源を明らかにすること
- 宇宙における多様な元素の起源や宇宙の化学進化、さらには初代星の素性を明らかにすること
- 突発天体を用いた遠方宇宙研究を開拓すること
を目標として研究を進めています。
研究テーマには、例えば以下のようなトピックがあります。
- 相対論的輻射流体計算
ガンマ線バーストは相対論的ジェットを伴う現象で、赤方偏移10を超える遠方でも観測可能です。相対論的速度で運動する物質と輻射の相互作用を取り扱う相対論的多次元多波長輻射流体計算を実現し、ガンマ線バーストや超新星爆発の観測量からその親星や爆発機構の情報を引き出す方法を確立します。それにより、宇宙論的距離にあるガンマ線バーストや超新星爆発を用いた遠方宇宙研究を実現します。
- 元素の起源
宇宙に存在する多様な元素の大部分は超新星爆発によって合成されました。超新星爆発の流体力学・元素合成計算によって、超新星爆発によってどのような元素がどの程度の量合成され、合成された元素がどのように分布するのか明らかにします。また、星の進化計算や宇宙の構造形成計算・星形成計算と組み合わせ、超新星爆発親星と合成される元素の関係や次世代星の形成過程を解明します。
- 時間軸天文学
宇宙には様々なタイムスケールで時間変動する天体があり、近年新しい種族の突発天体が多数発見されています。すばる望遠鏡 Hyper Suprime-Cam や木曽シュミット望遠鏡 Tomo-e Gozen Camera を用いて高頻度突発天体探査を行い、突発天体にどのような種族があるのか解明します。また、高速電波バースト、重力波天体などの追観測を行い、それらの起源にも迫ります。
- 銀河考古学
宇宙初期に形成され現在まで生き残っている星は金属量の少ない金属欠乏星として観測されます。CaHK線などの吸収線に感度のある狭帯域フィルターをすばる望遠鏡 Hyper Suprime-Cam や木曽シュミット望遠鏡 Tomo-e Gozen Camera に搭載し金属欠乏星探査を行います。また、すばる望遠鏡 Prime Focus Spectrograph やなゆた望遠鏡 Medium And Low-dispersion Long-slit Spectrograph を用いた分光追観測によって発見した金属欠乏星の元素組成を測定し宇宙初期の化学進化を明らかにします。
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